コロナ禍を乗り越え、裸祭の諸行事の復活を目指して

見付天神裸祭保存会 会長 中山 正典昨年度、見付天神裸祭はコロナ禍の中でも、みなさまのご理解、ご協力を得て、祭事始め、オミシメ様、浜垢離、矢奈比売様の渡御が出来ました。ありがとうございました。5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、世もアフターコロナ社会に手探り状態で移行中であります。今年度の裸祭をどのように実施するか、みなさまのご理解とお知恵をいただきたいと切に願います。新年度に入って、開催する保存会の会合に次ぎのことばを必ず伝えるようにしています。 

「令和5年度の裸祭は、令和元年度までやっていた裸祭の諸行事を復活させることを目指します。しかし現時点で今年9月の裸祭において新型コロナ感染対策を全く考えなくてもいい状況になるとはなかなか思えません。完全復活を目指しながらもどのような感染対策が必要か検討していきます。」現時点(この原稿を6月1日に書いています。)では、裸祭の諸行事の復活を目指して準備しております。

浜松祭りが、3日間で255万人の人出があったと、その熱狂ぶりが報道されました。「どうする家康」主演の松本潤が家康に扮したこともあり空前の人出だったようです。みなさまは今年の浜松祭りをどのように見られたでしょうか。私も実行部長の伊藤さんと中田島の凧揚げ会場へ行き、浜松祭りを垣間見てきました。行政が企画し、主導する祭りとして見事な成功事例と私は捉えています。

その浜松祭りについての報道の中で一つ気になるものがありました。それは、4月13日に浜松祭りの組織委員会の総会が開かれ、その総会の様子を報道したものです。ご記憶の方もいらっしゃると思います。飲酒禁止とした組織委員会の取り決めに対して、「おかしい」「根拠がない」との不満が出た、というものです。私がこの報道で気になったのは、その総会に出席したある町の代表者が「ルールを決める際に各町の意見をもっと聞いてほしかった。」との意見があったと報道されたことでした。

一つ喜ばしい報告があります。令和4 年度「ふじのくに文化財保存・活用推進団体」知事褒賞を受賞いたしました。2023 年3 月16 日、静岡県庁本館特別会議室で川勝平太静岡県知事から直接、知事褒賞の褒状がお祝いのお言葉と一緒に見付天神裸祭保存会に手渡されました。本会から中山正典保存会長、宇藤孟副会長、伊藤兆彦副会長が出席しました。この受賞はふじのくに文化財保存・活用推進団体の中でその年に顕著な実績を示した団体が受けるものです。当保存会は2000 年に国の重要無形民俗文化財に指定され、2002 年に保存会が組織され、見付天神裸祭の保存伝承・活用に当たってきた功績と2022 年のコロナ禍において「地域ぐるみ」で対策を講じて祭りを実施したことの2点を評価していただきました。特に2点目については新型コロナの感染拡大により、令和2・3年度と殆ど諸行事ができなかったものを、3年ぶりに御斯葉下ろし、浜垢離、神輿渡御など安全対策を講じて実施し、県下の他の祭りの手本となったという評価していただいたこと、保存会として大変うれしく思います。

見付天神裸祭保存会
会長 中山 正典


見付天神裸祭紹介映像
見付天神裸祭保存会 見付天神裸祭映像記録制作委員会 平成26年度制作


   
祭事始め浜垢離御池の清祓御大祭